強羅温泉観光協会として今回の陸前高田の松の薪お炊き上げについて以下の通り経過報告申し上げます。
 
8月12日 陸前高田市にボランティアに行っていた夏祭りの関係者が、京都から返された薪ではないものを、一袋約20キロを引き取り、『大文字焼きの送り火でお炊き上げお願いしたい。』と、夕方強羅観光協会に届けてきた。
強羅観光協会の役員一同で様々な協議、葛藤の結果、先ずは検査機関に放射能の検査依頼し、その結果をふまえ、実施の有無を決定することとした。
13日 横浜にある、放射能検査機関に、長さ30センチ厚さ約6センチ、幅7センチに切りそろえた際の裁断おがくず及び松をチップ状にしたものを提出。
15日 午後検査機関より、ヨウ素131、セシウム134,137検出されず。との報告を受ける。 夜、再び強羅観光協会役員一同協議。
広く公開し、観光客にメッセージを書き入れてもらってはどうかとの意見も出たが、祭り関係者の中に、陸前高田で被災し親族を亡くされた者があり、『もうそっとしておいて欲しい。』という思いを受け、現地の方々の悲しみを考慮し、また、京都へ迷惑がかかっても申し訳ないという思いから、そっと、大文字焼の送り火でお炊き上げし、被災者の霊の鎮魂をお祈りしようと意見がとりまとまった。
16日 念のため安全を期して、外皮をはがし、切りそろえられた薪を関係者が約40本大文字山までかつぎ上げ、大の文字の中央部分に高さ約50cmの櫓を組み、午後8時ごろ点火した。ミニFMや会場スピーカーを通じ、只今点火の炎は陸前高田の松の薪であり、放射能は検出されていない事を公表した。
約1万6千人にのぼる死者と約4600人にのぼる行方不明者のご冥福と鎮魂を衷心よりお祈り申し上げると共に、被災された方々の一日も早い復興をご祈願いたしました。
 
  ※尚、剥がした外皮については現在管理保管しております。